三位一体のクリエイティブへ
~庭屋一如と文化芸術が紡ぐ創造的平和構築の視座~
終戦直後の険しい二国間感情を日米両国の市民が草の根的に修繕しながら、約60年の時を経てアメリカを代表する 日本庭園文化機関の一つに成長したポートランド日本庭園財団(米国公益財団法人)は、終戦後75周年という一年 を展望するとき、2020年を「平和の年(Year of Peace)」として定め、設立の理念に沿った活動を改めて中心に 据えました。
この度、パンデミックによる約2年の延期を経て本年発足したジャパン インスティテュートのもと、来る9月に広島、 長崎、東京において一連の平和祈念事業を開催する運びとなりました。
東京では、国連が定める国際平和デー(9月21日)に公益財団法人国際文化会館との共催により、「ランドスケープデザイン」「アート」「建築」という公共空間・文化の現在地を考え、コミュニティーや草の根の文化・知的交流を通じた平和構築の可能性を考察するシンポジウムを開催します。
日本国内に端を発し、今では世界各地に輸出され、根付いて いる日本の庭 。シンポジウムの第一部では、一連の景観の移住(マイグレーション)が社会的、文化的、園芸的にもたらす影響について検証します。続く第二部では、建築、現代アート、都市ランドスケープの第一人者が、元来日本人が紡いできた「庭屋一如」の枠組みに文化芸術を加えた独特の感性を掘り下げ、時代と共にダイナミックに変容し続ける「庭」というものの役割や、益々一体化するアートと建築の可能性を考察します。
席に限りがございますので、ご出席を希望される場合にはお早めにお申し込みください。
日 時:2022 年(令和四年)9月21日(水)1:00-5:30pm
会場:国際文化会館「岩崎小彌太記念ホール」
参加費:無料(事前登録制)100名
言語:日本語、英語(同時通訳つき)
共 催:ポートランド日本庭園財団ジャパン インスティテュート, 公益財団法人国際文化会館
後 援:一般社団法人日本庭園協会, 公益財団法人都市緑化機構, 一般社団法人日本造園建設業協会
【プログラム概要】
シンポジウム開会のお言葉:高円宮承子女王殿下
第一部:海を渡った日本の庭:「和の問いかけ」と「洋の解」
パネリスト:
進士 五十八 (東京農業大学名誉教授・元学長)
マーク・ピーター・キーン (庭園デザイナー、作家)
松木 裕美(国際日本文化研究センター助教)
モデレーター:内山 貞文(ポートランド日本庭園 日本庭園文化・技術担当上席執行役員)
第二部:建築・アート・ランドスケープ ~三位一体のクリエイティブが紡ぐ創造的平和の視座~
基調講演: 河野 太郎(衆議院議員、デジタル大臣)
パネリスト:
片岡 真実(森美術館館長)
涌井 史郎 (雅之) (造園家、東京都市大学特別教授)
石上 純也 (建築家、石上純也建築設計事務所主宰)
モデレーター:中西 玲人(ポートランド日本庭園 文化・芸術・教育担当上席執行役員)
略歴(セクション毎に五十音順)
河野 太郎 / デジタル大臣、衆議院議員
u003cimg class=u0022 wp-image-28233 aligncenteru0022 src=u0022https://japanesegarden.org/wp-content/uploads/2022/05/kono-261×376.pngu0022 alt=u0022u0022 width=u0022234u0022 height=u0022337u0022 /u003ernrn1985年12月 米国ジョージタウン大学卒業rn1986年2月 富士ゼロックス株式会社入社rn1993年1月 日本端子株式会社入社rn1996年10月20日 第41回衆議院議員総選挙で神奈川県15区初当選 以来連続当選(9期)rn1999年12月 株式会社湘南ベルマーレ代表取締役会長に就任rn2002年1月 総務大臣政務官就任(第1次小泉内閣)rn2002年4月16日 生体肝移植のドナーになって父親に肝臓を移植するrn2004年3月 議員立法で消費者基本法案を提出(2004年5月成立)rn2004年4月 議員立法で特定船舶入港禁止法案を提出(2004年6月成立)rn2005年8月 議員立法で臓器移植法改正案を提出(2009年7月成立)rn2005年11月2日 法務副大臣就任(第3次小泉改造内閣)rn2008年9月29日 衆議院外務委員長就任rn2009年9月28日 自民党総裁選挙で次点rn2015年10月7日 国務大臣、国家公安委員会委員長、行政改革担当、国家公務員制度担当、内閣府特命担当大臣(防災、規制改革、消費者及び食品安全)就任(第3次安倍改造内閣)rn2017年8月3日 外務大臣就任(第3次安倍第3次改造内閣)rn2017年11月1日 外務大臣再任(第4次安倍内閣)rn2018年10月2日 外務大臣留任(第4次安倍改造内閣)rn2019年9月11日 防衛大臣就任(第4次安倍第2次改造内閣)rn2020年9月16日 国務大臣、行政改革担当、国家公務員制度担当、内閣府特命担当大臣(規制改革・沖縄及び北方対策)就任(菅内閣)rn2021年1月18日 新型コロナウイルス感染症ワクチン接種担当を兼務rn2021年9月29日 自民党総裁選挙で次点rn2021年10月1日 自由民主党広報本部長に就任rn2022年8月10日 デジタル大臣就任
近藤 正晃ジェームス / 国際文化会館理事長
u003cimg class=u0022wp-image-28298 size-medium aligncenteru0022 src=u0022https://japanesegarden.org/wp-content/uploads/2022/08/Kondo_high-reso-282×376.jpgu0022 alt=u0022u0022 width=u0022282u0022 height=u0022376u0022 /u003ernrn慶應義塾大学経済学部卒、ハーバード経営大学院修了、イェール大学ワールドフェロー。政策分野では、東京大学医療政策人材養成講座および日本医療政策機構を共同設立した後に、内閣官房参事官・内閣府本府参与を経て、アジア・パシフィック・イニシアティブ専務理事を務める。テクノロジー分野では、Twitter 日本代表、東アジア代表、Twitter 本社副社長を経て、シリコンバレー・ジャパン・プラットフォーム共同議長および世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター代表理事を務める。社会事業分野では、TABLE FOR TWO、教育支援グローバル基金ビヨンドトゥモローを共同設立。アジア・ソサエティ・ジャパン・センター代表理事兼グローバル評議員。世界経済フォーラムYoung Global Leader、アジア・ソサエティAsia 21 Fellow、稲盛財団イナモリ・フェロー、ボッシュ財団 Weizsacker Fellow 等に選出。現在慶應義塾大学医学部訪問教授も務める。
高円宮承子女王殿下
1989年 松濤幼稚園 ご入園rn1992年 学習院初等科 ご入学rn1998年 学習院女子中等科 ご入学rn2001年 学習院女子高等科 ご入学rn2004~2008年 学習院女子大学国際文化交流学部 ご入学/エディンバラ大学 ご留学rn2008年 早稲田大学国際教養学部 ご入学rn2013年 早稲田大学国際教養学部 ご卒業(副専攻:生命科学)rn現在rn公益財団法人日本ユニセフ協会 ご在職rn公益社団法人全日本アーチェリー連盟 名誉総裁rn公益社団法人日本スカッシュ協会 名誉総裁
スティーブ・ブルーム / ポートランド日本庭園財団 ジャパン インスティテュート CEO
u003cimg class=u0022size-medium wp-image-8030 aligncenteru0022 src=u0022https://japanesegarden.org/wp-content/uploads/2018/02/03_-Steve-Bloom_Copyright_Christina_Sjogren-PortlandJapaneseGarden-Bloom-010-251×376.jpgu0022 alt=u0022u0022 width=u0022251u0022 height=u0022376u0022 /u003ernrnブルーム CEO のリーダーシップの下、ポートランド日本庭園は日本国外で最大規模を誇るダイナミックな日本文化発信機関に成長。ブルームは、建築家・隈研吾氏のデザインによる新設の文化施設を含む拡張プロジェクト(総工費・約 42 億円)を完成させ、学芸部の設立や文化芸術・教育プログラムの拡大に加えて、庭園技術者を養成する場所として「インターナショナル・ジャパニーズガーデン・トレーニングセンター」を開設。また、庭園の国際化・啓発活動を支援する組織としての国際諮問委員会である「インターナショナル・アドバイザリー・ボード」を発足させるなど、庭園の役割の見直しと発展を進め、日本庭園文化の国際的な地位構築に大きく貢献してきた。rn2015 年、日本国外務省より終戦 70 周年を記念して、日米間の文化・人物交流の増進に顕著な功績を残した米国内で活躍する者を称える外務大臣表彰を受賞。同賞は、米国内で計 28 名に授与された。rn2008~09 年、ブルームは、外交問題評議会と日立製作所の提携フェローシッププログラムに選抜され滞日、東京農業大学に客員研究員として迎えられた。日本でのフェローシップ終了後、北米日本庭園協会(NAJGA)の設立に尽力し、初代理事長を務めた。2017 年には、ポートランド観光促進への大きな貢献が認められ、ポートランド市長より「2017 年ポートランド賞」を受賞。また 2018 年には、一般社団法人日本庭園協会が創立百周年を迎えるにあたり、日本庭園文化の国内外への普及・啓発に対する特別の功労が認められ、同協会より特別名誉会員証が授与された他、本年は長年に亘る相互理解活動を通じた日米関係深化の功績を称える「日米協会金子堅太郎賞」を受賞した。
第一部:海を渡った日本の庭:「和の問いかけ」と「洋の解」
内山 貞文 / ポートランド日本庭園 上席執行役員(日本庭園文化・技術担当)
u003cimg class=u0022size-full wp-image-3642 aligncenteru0022 src=u0022https://japanesegarden.org/wp-content/uploads/2017/03/Sadafumi-Uchiyama-headshot.webpu0022 alt=u0022u0022 width=u0022246u0022 height=u0022250u0022 /u003ernrn1909年から福岡県で園芸に携わってきた家系の4世の庭師・造園家。イリノイ大学シャンペーン・アーバナ校で造園学の学士号と修士号を取得して以来、ポートランド日本庭園の新しい庭園スペース、シカゴのジャクソンパークの大阪ガーデン、デンバー植物園の松風園の改修など、民間および公共のプロジェクトを設計・施工。最近では、米国における日本文化普及の功績が認められ、令和4年度外務大臣表彰を受賞。
マーク・ピーター・キーン / 庭園デザイナー
u003cimg class=u0022size-full wp-image-28231 aligncenteru0022 src=u0022https://japanesegarden.org/wp-content/uploads/2022/05/Headshot1.jpgu0022 alt=u0022u0022 width=u0022330u0022 height=u0022330u0022 /u003ernrn庭園デザイナーであり美術家、作家でもある。20年間京都に住んだことで、彼の作品は日本の美意識と文化に深い影響が見られる。最近の彼の興味は枯山水の新しい形と意味合いを探ることである。rnrn日本庭園に関する著作に『rnSakuteiki 2001』『The Japanese Tea Garden 2009』などがある。また、自然、美術、庭園に関するエッセイ集『The Art of Setting Stones 2002』、『Of Arcs and Circles 2022』も出版している。
進士 五十八 / 東京農業大学名誉教授・元学長
u003cimg class=u0022size-medium wp-image-28295 aligncenteru0022 src=u0022https://japanesegarden.org/wp-content/uploads/2022/05/MicrosoftTeams-image-16-251×376.jpgu0022 alt=u0022u0022 width=u0022251u0022 height=u0022376u0022 /u003ernrn日本学術会議会員(環境学委員長)、日本造園学会長、日本都市計画学会長、日本生活学会長、日本政府の環境省自然再生専門家会議委員長、社会資本整備審、国土審議会特別委員。東京都、長野県、福井県永平寺町景観審議会長。国際バラとガーデニングショウ、緑の環境プラン大賞等審査委員長歴任。現在は、福井県政策参与、福井県里山里海湖研究所長、横浜市環境創造審議会会長、NPO法人美し国づくり協会理事長など。rnrn『日本の庭園』(中公新書),『グリーン・エコライフ』(小学館),『日比谷公園』(鹿島出版会)、『進士五十八と22人のランドスケープ・アーキテクト』『進士五十八の風景美学』(マルモ出版)他多数。rnrnGolden Fortune表彰、日本造園学会賞、日本生活学会今和次郎賞、土木学会景観デザイン賞、読売農学賞、内閣みどりの学術賞など受賞、紫綬褒章受章。
松木 裕美 / 国際日本文化研究センター助教
2018年パリ第8大学美学・芸術科学・芸術技術学大学院博士課程修了。博士(美学・芸術科学・芸術技術学)。20世紀アメリカの彫刻家イサム・ノグチのデザインしたモニュメント、庭、広場などについて論じた『イサム・ノグチの空間芸術 危機の時代のデザイン』(淡交社、2021年)で、2021年度日本造園学会賞(著作部門)を受賞。フランスとアメリカを中心に、海外に作られた日本庭園の歴史と現状を調査し、彫刻や建築をはじめとする他の芸術分野との関わりに関心をもって研究している。最近の関連論文は、Le jardin japonais comme champ des enjeux internationaux : tendances récentes de la recherche(国際的争点の場としての日本庭園—最近の研究動向について), u003cemu003ePerspective : actualité en histoire de l’artu003c/emu003e, 2020-1号。
第二部: 建築・アート・ランドスケープ
~三位一体のクリエイティブが紡ぐ創造的平和の視座~
石上 純也 / 建築家
u003cimg class=u0022size-medium wp-image-28235 aligncenteru0022 src=u0022https://japanesegarden.org/wp-content/uploads/2022/05/Ishigami-293×376.jpgu0022 alt=u0022u0022 width=u0022293u0022 height=u0022376u0022 /u003ernrn東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修士課程修了後、妹島和世建築設計事務所を経て2004年石上純也建築設計事務所を設立。rnrn主な作品に、神奈川工科大学KAIT工房・KAIT広場、Park Groot Vijversburgビジターセンター、ボタニカルガーデンアートビオトープ/水庭、2019年サーペンタインパビリオン、House u0026amp; Restaurantなど。rnrn2009年日本建築学会賞(作品)、2010年第12回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞、毎日デザイン賞、2019年芸術選奨文部科学大臣新人賞(美術部門)、OBEL AWARDなど受賞多数。
片岡真実 / 森美術館 館長
u003cimg class=u0022size-medium wp-image-28236 aligncenteru0022 src=u0022https://japanesegarden.org/wp-content/uploads/2022/05/Kataoka-305×376.jpgu0022 alt=u0022u0022 width=u0022305u0022 height=u0022376u0022 /u003ernrnニッセイ基礎研究所都市開発部、東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーターを経て、2003年より森美術館。2020年より現職。2007~2009年はヘイワード・ギャラリー(ロンドン)にて、インターナショナル・キュレーターを兼務。第9回光州ビエンナーレ(2012年)共同芸術監督、第21回シドニー・ビエンナーレ芸術監督(2018年)、国際芸術祭「あいち2022」芸術監督。CIMAM(国際美術館会議)会長。
中西 玲人 / ポートランド日本庭園 上席執行役員(文化・芸術・教育プログラム担当)
u003cimg class=u0022size-medium wp-image-10585 aligncenteru0022 src=u0022https://japanesegarden.org/wp-content/uploads/2018/08/Aki-Nakanishi-070518-image-008_Jonathan-Ley-251×376.jpgu0022 alt=u0022u0022 width=u0022251u0022 height=u0022376u0022 /u003ernrn11年にわたる英国留学の後、文化・芸術の活性化を専門とするにとどまらず、過去約20年間国内外で政府関係や広報活動、芸術交流、文化戦略の立案などに幅広く携わる。2008年から10年にわたり駐日アメリカ合衆国大使館の文化担当官補佐として、大使館における文化・芸術・学術交流事業を含む文化戦略の立案と運営を実施し、二国間の相互理解を深める業務に従事するかたわら、個人としてもヤング・リーダー育成企画やNPOを手がける。文化担当官の首席アドバイザーとしての職務に加え、歴代大使の文化アドバイザーも務め、大使自らが主催する文化・教育プログラムの企画・運営に携わった後、2018年に渡米し現職。国立政策研究大学院大学(文化政策学)卒。
涌井 史郎 (雅之) / 造園家
u003cimg class=u0022wp-image-28302 size-medium aligncenteru0022 src=u0022https://japanesegarden.org/wp-content/uploads/2022/05/MicrosoftTeams-image-17-376×251.jpgu0022 alt=u0022u0022 width=u0022376u0022 height=u0022251u0022 /u003ernrn東京農業大学農学部造園学科出身。(現)東京都市大学・特別教授、愛知学院大学・経済学部 特任教授、東京農業大学・中部大学 客員教授、岐阜県立森林アカデミー学長、なごや環境大学 学長などを務めている。平成15年日本国際博覧会(愛・地球博)会場演出総合プロデューサー。これまでハウステンボス、多摩田園都市・二子玉川ライズなどのランドスケープ計画、過疎中山間地域や水源地等の活性化対策など、都市から過疎農山村に至るまで都市と自然の関わりについて取り組み、数多く作品を残している。rnrnまた首都高速大規模更新検討委員会や国立公園満喫プロジェクト・新国立競技場等の国における委員会の委員長・委員や地方公共団体の審議会委員長などを務めている。rnrn日本造園学会賞(1993)、日本造園学会「上原敬二賞」(2017)、土木学会賞、国土交通省大臣賞(2001)、黄綬褒章(2005)、仙台市特別市政功労者賞(2017)、などを受賞。