本日は、「ポートランド日本庭園」のグランドオープン、おめでとうございます。思えば1967年に開園したこの庭園はいつのまにか半世紀を過ぎる年月を、多くの人々にさざまな心の休息を与えてきました。

それは、日本の庭園についての関心を深める人々を増やすことにも繋がりました。同時に日本の庭園専門家からも完成度の高さを認められた「ポートランド日本庭園」は、他のアメリカ国内あるいは世界各国につくられてきた日本庭園の指標と見られもしてきました。その原因の一つは「ポートランド日本庭園」が、その環境を利用して日本の庭園の構成要素を巧みに融合させたプランを立ててつくられたことにあります。そしてさらにはそのプロセス以上に、日々の管理に重点をおいてきたことにもよります。そして最大の力となったのはこの庭園を設計した戸野琢磨氏が、日本および海外の庭園についての視野広い理論的、技術的知識を豊富に持っていたことです。

（一部割愛）

大事なのは日本の庭園の芸術と文化というより、日本の文化が庭をどう保育してきたかであり、世界規模ではそれをどう捉えるかだと思います。その意味で今回発足するインスティテュートが各国における環境に応じたもので、その国の人々の心を癒し安心をもたらすとの目的も忘れずに考えて頂きたいと思います。着実なご発展をお祈りいたします。

一般社団法人
日本庭園協会
名誉会長　龍居 竹之介